審査会は全日本弓道連盟から級位・段位・称号の認許を受けるための試験で、
基本的には術科と学科の試験からなります。
級位は1級、2級などがあり、1級の上に初段から十段までの段位があります。
段位に応じて地区審査会・連合審査会・中央審査会の3種類の審査会が開催されます。
また、称号には錬士、教士、範士の3つの称号があり、
各段位は合格後半年以上経過すると受審することができ、
錬士は五段認許後1年以上経過すると受けられるようになります。
なお、九段・十段と範士の審査会はありません。
審査科目
六段まで 【受審者全員】術科審査、学科審査
七段・八段【受審者全員】第一次審査
【第一次審査通過者】第二次審査
【第二次審査通過者】論文
錬士 【受審者全員】第一次審査、学科審査
【第一次審査通過者】面接、第二次審査
教士 【受審者全員】第一次審査
【第一次審査通過者】面接、第二次審査
【第二次審査通過者】論文
地区審査会(級位から四段までの審査会)
地区審査会は各地連が主催する審査会で、
所属する地連の地区審査会に申し込みます。
最初に受ける場合は「無指定」で受審し、
習熟度に応じて初段または1級以下の級位が認許されます。
以前は弐段以上の段位が認許されることもありましたが、現在は初段までです。
他の地連でもほぼ同じだと思いますが、
第一地区ではほぼ3か月おきに年4回開催されます。
ただ、第一地区で受審者がゼッケンを付けているのを見ると
違和感を覚える方もいらっしゃるかと思います。
平成28年度の例
5月8日(日) 第218回定期地区審査会(江戸川)
8月28日(日) 第219回定期地区審査会(葛飾)
11月6日(日) 第220回定期地区審査会(葛飾)
3月5日(日) 第221回定期地区審査会(浜町)
連合審査会(主に五段の審査会)
近隣の複数の地連が合同で実施する審査会です。
関東地方の場合は一都六県の地連で「関東地域連合審査」を実施しています。
現在は主に五段の審査会となっていますが、
かつては東京でも四段の審査も実施していたことがあり、
地方では現在でも三段と四段の審査が合わせて行われています
足立支部に所属している場合は、主に関東地域連合審査を受審することになりますが、
東北や東海などで開催される連合審査会を受審することもできます。
ちなみに、平成27年度には関東地域連合審査が東京で年4回、東京以外で年6回、
山梨・東京連合審査が年1回開催されています。
また、関東以外で開催される連合審査も受審できるため、
五段の場合は四段以下と比べて受審の機会が多いのが特徴です。
そのためか、受審者の実力と合格率との兼ね合いで、
合格までに10年以上、合計で100回近く受審した方もいました。
合格率は多少の変動はありますが、だいたい3~4%程度のようで
単純計算すると30回くらい受審すれば合格することになります。
聞いた話によると五段合格者の平均受審回数は27回くらいということなので、
単純計算結果とほぼ一致することが分かります。
なお、そこまで受けなければ合格しないかというとそうでもなく、
それ相応の実力があれが簡単に合格でき、
1回で合格した人、2回で合格した人がまわりにいます。
さすがに凄いですね。
山梨・東京連合審査(山梨県) 5月
【神奈川】関東地域連合審査 5月
【群馬】関東地域連合審査 6月
【千葉】関東地域連合審査 7月
【栃木】関東地域連合審査 9月
【茨城】関東地域連合審査 10月
【埼玉】関東地域連合審査 10月
第1回【東京】関東地域連合審査 5月
第2回【東京】関東地域連合審査 8月
第3回【東京】関東地域連合審査 11月
第4回【東京】関東地域連合審査 2月
中央審査(六段以上の段位と称号(錬士・教士)の審査会)
1月と4月を除き、全国各地に渡って開催されています。
平成27年度の例では、錬士20回程度、六段・七段16回程度、
教士と八段が5回程度の実施となっています。
五段に合格した人が最初に受審する中央審査は「錬士」です。
以前は錬士より前に六段を受審して合格する人もいましたが、
最近は方針が変わったようで、錬士でない六段の方を見かけなくなりました。
それならば六段の受審資格を錬士に限定すべきだと思いますがそうなってはいません。
そのため、五段から先の受審の流れは次のようになります
「錬士審査」→「六段審査」→「教士審査」→「七段審査」→「八段審査」
つまり、各審査に合格した人は次のようになっていきます。
「五段」→「錬士五段」→「錬士六段」→「教士六段」→「教士七段」
→「教士八段」→「範士八段」→「範士九段」→「範士十段」
となります。なお、九段と十段、範士の審査はありません。